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「すぐ死ぬんだから」

内館牧子の「すぐ死ぬんだから」を読んだ。

 

彼女の前作「終わった人」を読んだときに、
こういう人、周りにたくさんいる~!

彼女の観察眼に恐れ入った。

 

で、今回の「すぐ死ぬんだから」は
設定が麻布十番付近の商店街なんだけど、

 

この人は私と一緒にあの町に
10年住んでいたのかな?

 

と思うほど、
私が見てきた人たち・町の様子を
つぶさに描いていた。

 

この小説で彼女が言いたかったのは

 

「外見は内面を作る」ということだ。

 

「見た目が9割」という本が出ているのだから
それくらいはわかっている、
という人も多いけど、

 

年を取ると、
年相応の恰好?色のない地味な服に、
体形もごまかせる服を来て、
今更、おしゃれして、どうするの?
という人も多い。

 

ちょっとおしゃれをしようものなら、
妬みや変な誤解を受けたりする。
という、厄介な世の中だということ。

 

でも、実際には、手入れをしていない人と
している人とには、年を経ることに
歴然とした差が表れること、
が書いてある。

 

そして、「もう、年だから」ということで
自分に手入れをしない人を
「セルフネグレクト」と呼んでいた。

 

昔と違うのは、
圧倒的な医学と美容の進化だ。
神様が作った人間は、
みな同じように年を取る
状況ではなくなっている、
ということ。

 

今後は、
ますますこの格差は開くだろうと、
私も思った。

 

良く思うのだ。
不動産と人間って、酷似している。

 

管理の良いマンションは、
数十年経っても全く古びない。
管理の悪いマンションはボロボロ。。。

 

そして、
その外見が作るパワーはその人の
内面にも強く影響しているということだ。

 

これを読んでいて思ったのは、
「終活」って良いことなのかな?という疑問。

 

エンディングノートを数年前に母に渡したら、

 

「私に、死ねって言っているのか!」と
怒っていた。

 

その時は、わがままな人だと思ったけれど、
今から考えると、母は正しかったと思う。

 

ある日、突然死なれたら、
残された家族が困るから。

 

というのは、子世代の言い分だ。

 

わかるようにしておいてほしい。
あわよくば、税金を払うのを少なくして、
少しでも多く残してくれるといいな。

 

でも、自分の終わりに向かって整理するって、
下向きに生きている感じがする。

 

自分の終わりを意識して、
もうすぐ死ぬんだからと
つぶやきながら生きているなんて、
エネルギーが生まれない。

 

小説の中にも、
エンディングノートなんて
書いちゃいけない!

 

という一節があった。

 

自分と同世代の人たちが定年を迎えるような
時期に来ているけれど、
私が感じるのは、
この人たちが自分の人生を
終わらせたがっていることだ。

 

人生100年の時代!
あと、残り半分近くあるのに
新しいことをやる意欲を持つ人は
少ない。

 

このまま、静かにそのうちに死ねた
時代は昔の昔。
悲しいかな生きてしまうのだ。

 

長生きというリスクに、備えている人も
少ないので、終わりにしてしまいたい
気分なのではないか?

 

年金だけでは、ゆっくりと楽しみながら
老後を過ごすことはできない。

 

眠っている個人資産だって、
このところの円が弱まっていることや、
ハイパーインフレがいつ来るのか?
ということを考えると、
この貯金は急速に目減りしていく。

 

生活コストを下げる選択をしていく
ことになる。

 

今、郊外の家が売れているのは
コロナ禍というより、
都心で暮らせない人たち、
都心に家を買えない人たちが
移動しているだけなんじゃないだろうか?

 

今、学生さんに教えていて感じるのは
大学に入る前の時点で
鳥の羽をもがれてしまっている
ということだ。

 

自由に飛べる羽が折られている。

 

日本の教育は、戦後の労働者=無知な奴隷?
的な人を育てるための物だったのだと思う。

 

みんな同じことができることが大事。
特殊なことができることより
できないことをできるようにさせる。

 

そのために、せっかくの才能を伸ばすことなく、
自分のできない部分に目を向け
絶えず周りの人と比べて自分ができないことが
何かを意識する。

 

多くの人が自己肯定感がなく
心に問題を持っているのだ。

 

安定することが最良と思い
それと引き換えに、
自由がないことには無頓着だ。

 

ひたすらに時間を自分の意思決定できない
ことに使い、忙しくしていればなんとかなる
という、迷信にハマっている。

 

我慢と努力が美徳?

 

私の授業を受けた学生さんからは

 

日本の教育制度のおかしさに気がついた
自分の親や周りの人の言っていることが
間違っていることに気がついた
個性にあった教育を行う事業を自分でしたい

 

というものが多くある。

 

ちゃんと、はっきり言ったほうが良い。

 

どんなにまじめに一生懸命働いたとしても
労働者マインドしか持たないと、
自分も国家も幸せにはなれない
ということを。

 

問題が深刻なのは、
戦後70年以上たって、
労働者教育がいきわたって、
ビジネスオーナーや投資家マインド
を教えられる人材が圧倒的に少ない
ことである。

 

そういうマインドがあれば、
人生50年前後で、あらたな人生を自分で
作ることができるはずなんだけど
実際には、そういう人がほとんどいない
ことからも、事態の深刻さがわかる。

 

ただ、誰でも独立すればいいわけでもないと
思う。
前作「終わった人」は、
定年後に、「まだ終わりたくない」主人公が
ベンチャー企業の社長になって、老後資金を
失い、奥さんとも仲が悪くなるという
内容だった。

 

だけど、誰だって最初からはうまくいかない。
失敗する。
問題なのは、
年を取ると、失敗をリカバリーできる
時間と気力・体力が少ない、ということだ。

 

日本が衰退していくのはわかっているけど
あまりに問題が深刻だ。
エネルギーがある世代、人たちって
どこにいるの??
(個別にはいるけど、すっごく少ないです)

 

教育を変えないといけないけど、
自国の人材(今までの制度)
では難しいから、
他から持ってこないといけないかも?

 

私は、相続のコンサルをしていたんだけど
この本を読んで、ちょっと考えが変わった。
今必要なのは
まだ、気力があるうちに、自分の長い未来を
見込んで資産構築をし、その裏支えがありつつ
自己実現のために仕事を持つ
という人になれるよう、
支援することなんじゃ無いかな、
という気がした。

 

終わりに向かって生きるより、
明るい未来に向かっていきる方が
価値があるから。

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